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雨の日が続くと気分が晴れないのは、自分のせいとは限らないという話

8月の終わりから降りつづいていた雨が、10月に入って、ようやく途切れた。
東京都心では統計開始以来もっとも長く降水の日が続き、9月はひと月のすべての日で雨が記録されたという。9月の日照時間も、平年の半分に届かなかったそうだ。

わたしも、雨が続くと少し外に出るのが億劫になる。太陽を見ない日が重なると、気分までどこか憂鬱に湿ってくるのを感じる。ひさしぶりの日差しがベランダの手すりを白く照らした朝、窓を大きく開けたら、肩のあたりがすうっと軽くなった。ああ、ずいぶん長いあいだ、この光を待っていたのだと思った。

「最近のわたしはどうしてしまったんだろう」と思ったとき

気分が晴れない日が続くと、人はその理由を、自分の内側に探しはじめる。
最近やる気が出ない。何をしても楽しくない。前より元気がない。
そしてそれを、「自分が弱くなったから」「考え方がよくないから」「人生がうまくいっていないから」と結びつけてしまう。

真面目な方ほど、この掘り下げを丁寧にやってしまう気がする。けれど、掘っても掘っても答えが出ないときは、掘っている場所が違うのかもしれない。

気分には、自分では選べない環境も関係している

わたしたちの毎日には、自分では簡単に変えられないものがいくつもある。
雨が何日も続くこと。日が差す時間の短さ。季節の変わり目の、気温や湿度の揺れ。雨で外に出る機会が減って、知らないうちに生活のリズムがずれていること。

こうしたものが、日々の気分や過ごし方に影響することはあると思う。
日の光を浴びると気持ちがほどけたり、湿った空気の日は体まで重く感じたりするのは、多くの人が暮らしの実感として知っていることだろう。最近気分が落ち込んでいるからといって、それがそのまま「自分自身に問題がある」ということになるとは限らない。

「自分」と「環境」を分けて見てみる

最近、何をしても気分が晴れない。そう感じたときに、「わたしの何が悪いんだろう」と考えるのと並べて、もうひとつの問いを置いてみる。最近、太陽をどのくらい見ただろう。外を歩いているだろうか。雨で家にこもる時間が増えていないだろうか。季節が変わって、眠る時間や食べる時間がずれていないだろうか。

原因をひとつに決めつけるのではなく、自分を取り巻く環境まで含めて、今の状態を眺めてみる。今の自分の状態は、自分自身そのものとは限らない。そう思えるだけで、自分を責める声が少し小さくなることがある。

ご相談でも、まずその方を取り巻くものを見る

ご相談にいらっしゃる方からも、「最近なんとなくうまくいかない」「何をしても気持ちが前を向かない」「自分がどうしてしまったのかわからない」というお話をうかがうことがある。

そういうとき、わたしは最初から、その方の内側に原因があると決めつけないようにしている。お仕事のこと、人間関係のこと、暮らしのこと、身のまわりの環境のこと。その方を取り巻いているもの全体を、少し離れたところから一緒に見つめ直していく。そうしているうちに、「わたし、ずっと自分のせいだと思っていました」と、ほっとした声でおっしゃる方もいる。

最近気分が晴れないからといって、すぐに自分の心の中に原因を探さなくてもいいのだと思う。その前に、窓の外を見てみる。最近どれくらい太陽を見ただろう。外を歩いているだろうか。
今の自分は、どんな季節の中で暮らしているのだろう。

もしかすると、今の自分が悪いのではなく、今はそういう環境の中にいるだけなのかもしれない。
空模様はまだ落ち着かないけれど、次の晴れ間には、わたしもまた窓を大きく開けて、少し遠回りをして歩いてみようと思っている。

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