答えを探しているのに、なかなか見つからないとき
悩んでいるとき、人はすぐに答えを求める。「どうすればいいのだろう」「この人はわたしのことをどう思っているのだろう」「仕事を辞めたほうがいいのだろうか」「この先どうなるのだろう」。頭の中で同じ問いが何度もめぐるのに、答えが見つからない。どうすればいいかわからないまま、夜だけが静かに更けていく。
そういう時間を、わたしも知らないわけではない。ただ今は、少し違う見方をするようになった。答えが見つからないのは、答えがどこにもないからではなく、問いのほうがまだぼんやりしているからなのかもしれない、と。
「何を問うか」ということ
占いの世界には「占的(せんてき)」という言葉がある。何について占うのか、その的をはっきりさせること。わたし自身は占いをしているわけではなく、霊視によるセッションでお話をうかがっているのだけれど、この仕事を続けるなかで、「何を問うか」はとても大切なことだと感じるようになった。
問いが変わると、見えてくるものも変わる
たとえば恋愛の悩みで、「この人はわたしのことをどう思っていますか?」という問いと、「わたしはこの人との関係を、これからどうしていきたいのでしょうか?」という問い。似ているようで、向いている方向がまるで違う。前者は相手を知ろうとする問いで、後者は自分の気持ちとこれからに目を向ける問いだ。
仕事の悩みも同じで、「仕事を辞めたほうがいいですか?」という大きな問いを、少し細かくしてみる。
今の仕事の何がいちばんつらいのだろう。わたしは仕事に何を求めているのだろう。環境を変えることで、何を得たいのだろう。問いを分けていくと、ぼんやりしていた悩みの輪郭が、すうっと浮かび上がってくることがある。
本当に知りたいことは、最初の質問とは違うかもしれない
相手の気持ちを知りたいという問いから始まったお話が、気づけば「自分はどうしたいのか」という問いにたどり着いている。ご相談のなかで、そういう流れにときどき出会う。相手がどう思っているかを知ったとしても、その先を選ぶのは自分自身。だからなのか、問いの向きが自分に戻ってきたとき、ご本人の声の調子がふっと落ち着くのを感じることがある。
「自分の気持ちがわからない」と感じているときほど、最初の質問は外を向いている気がする。答えが見つからないと思っていたのは、実は「何を知りたいのか」「何に困っているのか」「自分は本当はどうしたいのか」が、まだ整理されていなかっただけ、ということもある。そう考えると、何を問うかを考えること自体が、もう悩みと向き合う作業の始まりになっているのだと思う。
答えを急がず、自分に問いかけてみる
これはご相談の場に限った話ではない。恋愛でも、人間関係でも、仕事でも、家族のことでも、将来や生き方のことでも、悩みがあるときに「わたしは何を知りたいのだろう」と問い直すと、少し呼吸がしやすくなる。
わたしは悩みを整理するとき、「どうすれば幸せになれるのか」という大きな問いを、いったん脇に置くことにしている。代わりに、今いちばん苦しいのは何だろう、本当は誰にどうしてほしいのだろう、何を変えたいのだろう、今の自分にできることは何だろう、と問いを小さくしていく。小さな問いには、小さな答えが返ってきやすい。その積み重ねが、自分の中にもともとあった答えへ続く、細い道になっていく気がしている。
あなたなら、何を問いかけますか
人生で大切なのは、答えをたくさん持っていることではなく、自分にとって大切な問いを持つことなのかもしれない。答えは季節とともに変わっていっても、よい問いは、長く自分のそばにいてくれる。
もし今抱えている悩みについて、ひとつだけ質問できるとしたら、あなたは何を聞きたいでしょうか?
